ALC ビル 修復

distance

どうしてこんなことになってしまったのだろう。
だってただ好きだっただけなのに。

いつからか分からなくなってしまった。
自分の気持ちも。
あいつの気持ちも。
考えることが怖くなった。
そうだと思っていたものはもうすでに変わってしまっているのかもしれない。
もしかしたらそもそもが勘違いだったのかもしれない。
どうしてそうでないと言える。
一度も確認したことなどないのに。

あの時はあえてそんなことをする必要などないと思っていた。
思っていたのだ。
繋がっているのだと通じあっているのだと。
そんな確信があったから。
「親友」だと思っていたのだ。
今だってきっとまだ自分はそう思っている。

だがあいつはどうなのだろう。
あいつは今でも「親友」だと思っているのだろうか。
もうそんな二人には戻れないのだろうか。

ここまで色々なことがあった。
一言では表せない。
たくさんのことが。
人の死を知った。
悲しみを知った。
憎しみを知った。
そして愛することも知った。
なのに分からなくなってしまった。
多くを知ったからこそなのか。
とにかく分からなくなってしまった。
あんなに分かっていたのに。

変わってしまったと思った。
けれど何も変わっていなかったと思った。
それなのに。
変わってしまった。

自分だけ変われず取り残されているのかもしれない。
あいつはどんどん先に行ってしまう。
追いつくことができない。
追いつきたいと思うのに。
それすらあいつにはどうでもいいことなのかもしれない。
もうあいつからすれば己は「親友」ではないのだろう。
多分、きっと、とても悲しいことだ。

それでもこれは受け入れるべきことで、悲しむんでいる暇があるならば、もっともっと頑張って、せめて肩を並べられるよう。



そうすれば、少しは前のように。



前のように。









2009.10.17

二行目の「好き」は友情。
アスランさんはキラさんのことがよく分からなくなってしまったんです。