no title
この話は、スザクが既にゼロを殺してしまっている、という設定で書かれたものです。
妄想を理解したうえで、スクロールしてください。
ちなみに気分はジノスザです。
スザク?あーよく寝てるなあ。よかった。お前の寝顔見てると少しだけ安心するんだ。普段よりも柔らかな顔になる。起きてる時はいつもどこかに悲しみが見えるから。いつもいつも。昔は隠そうとしてたそれも、戻ってきてからは隠さなくなってしまった。
ああ違うか、悲しいのは俺だ。ごめん。俺はいつもいつも間違えてたんだな。お前には教えられてばっかりだ。ああまた間違えた、俺が勝手にお前から教えられた気になってるだけ。
ごめん。ごめん。どうかどうか、お前が自分だけの世界に沈んでいるときは、どうかどうか、お前の背負うたくさんのものが少しでも軽くなりますように。お願いだから、そんなところにまで連れていかないで。苦痛だらけの世界から離れるんだ、せめて優しい夢をみて。
一緒に背負えたらよかったのにな。お前が抱えてるもの、ちょっとでもいいから俺が持てたらよかった。軽くしてあげられたらよかった。
今になって強く思うんだ。あの頃の俺は何も分かってなくて、何も気付けてなくて。ずっと横にいたくせに、お前のサインを見逃してた。傍にいるだけで、どれだけお前を傷付けたんだろう。助けてなんて言わないことぐらい知ってたはずなのに。
考えるとこわいよ、そうせずにはいられないけど。自分に殺意って向けられるんだな。昔無力な自分を嘆いたことはあったけど、こんな風に思ったことはなかったよ。
もし今タイムスリップが出来るなら、あの頃の俺を殺してやりたい。それで俺がお前を助けてやりたい。あれ、過去の自分が消えたら今の俺はいなくなるのかな。うーん。それは困るかもしれない。
ああ、そもそもなんという思い上がり。
今の自分にならコイツを救えるとでも?優しい世界に連れていけるとでも?
馬鹿馬鹿しい。どうせ俺には何も出来やしないんだ。何一つお前のためになることが出来ない。どうしたらいいかな。ごめん。こんな奴が傍にいるなんて。ほんと、ごめん。
それでも俺は
お前の傍にいたいんだ
一緒に生きたいな前を向きたいな笑いたいな泣きたいな無理かな無理かな
ごめんごめんごめんなさい
「…朝」
「おはよう、スザク」
「…ああ」
触れる指先に小さな拒絶。無視してそっと頬を撫でる。
ああ痛いな。
でもお前はもっと痛いんだよな。それとも、どうでもいい、かな。そうだろうな。
そんな資格なんてないのに、悲しくて泣きたくて抱きしめたくて出来なくて、ごちゃ混ぜで苦しい。苦しくて苦しくて息が詰まる。
かすかに歪む顔、目覚めて早々にこんな、させてしまっているのは俺だ。
違う、お前のせいじゃない、勝手に俺が痛いだけ。なのにお前は自分のせいだって思う。何を言っても通じないのな。だめだ俺、やっぱり。
それでも
俺は
おれは
わざと荒々しく口付ける。何もかもごまかしてしまいたかった。唇を割って舌を絡める。強く目をつぶって、見ないふり、出来るわけなんてないけど。そのまま押し倒してシャツに手をかける。せめて見られたくなくて、左手で翠の両目を覆い隠した。
2008.05.01
ニールオンリーに落選して夜病んでたら、ジノまで病んでしまったという。
スパの新刊をこの話に前後つけたものにしようかと一瞬思ったんですが、朝起きてすぐに却下しました。
これは…ねーよ^^