ALC ビル 修復

ゼロス

美しい夜。
世間が輝いて輝いて、光に満ち溢れる日。
さあ何を祈ろうか。
凍えるような寒さの中、ぼんやりと感覚が鈍っていくのを自覚しながら、願うことは、願うものは、たったひとつだけ。
叶う日など決して来ないと分かっていても、聖夜にかこつけて今日くらいは。
サンタなどいないのは知っている。
けれど、燃えるような真っ赤な服を纏うあの存在を。
脳裏に浮かべて、ふわりと消えていく自らの息を目で追った。









2007.12.26