ロロスザ
ルルとジノが既に死亡してしまったようです。
死ね
死ね
全部滅んでしまえばいい
僕自身も含めて
全部
全部
死にたい
死にたい
死なせて
生きたくない
生きていたくないんだ
だってこんな
兄さんのいない世界でなんて
枯れることなく涙を流しながらそう零すロロを、スザクは見たくも聞きたくもなかったが、避けてはいけないと正面に立ってじっと動かなかった。
小さく蹲る姿が全てのものを拒絶しているようで、訪れる痛みとは裏腹に心の内はどんどん冷めてきている気がする。
こんな風に、その人がいなければ生きていけない、だなんて誰かを想ったことなどなく、この姿が「愛する」ということなら自分は今まで誰一人として愛したことなどなかったのだろう。
ただ、己の生を憎み死を望む気持ちは嫌というくらい理解できてしまって、こんな自分を嗜めてくれる優しい人たちはスザクが自ら望んで行くことの出来ない世界へと旅立ってしまったのだとぼんやり思う。
もう、会えない、二度と。
他者を愛することすら知らない、こんな自分が眼の前の彼に対して「似ている」気がするなんてとてつもなく失礼な話だろうが、どこまでも危うく見えるこの存在を憎いと思いつつもそうしきれないのは所詮自分が一番大事にしているのは自分自身でしかないという事実なのかもしれない。
そして、そんな彼にスザクは生を強いようとしている。おそらく誰よりもその辛さを理解しているはずなのに。
それでも
憎しみと死への渇望と唯一の人への愛だけを血まみれの両腕で細い身体に抱く少年にスザクはただ残酷でしかない言葉をゆっくりと捧げた。
それが「誰への」救いになるのか、そもそも救いなどどこにも存在しないのか、それはまだ分からない。
2008.07.10